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東京は週末は気持ちの良い秋晴れでした。あちこちで運動会やお祭りの賑わいがあります。ハロウィンもいいけど、やっぱり日本の秋には神輿が似合うと思います。

今日は大人の受講生様のピアノレッスンでの不思議な発見を書きます。

月1回のレッスンで、2年ほど前から始められた受講生のEさん、頑張っておられます!

少しずつ脱力や譜読みにも慣れてきましたが、やはり月1回のレッスンだと筋肉の使い方の維持はなかなか難しいようです。ひと月前のレッスンでの身体の感覚を取り戻すことは、時間が開いてしまうとかえって大変なのでしょうね。

特に大人の受講生の場合、頭ではわかっているのに思い通りに指が動かないもどかしさが、なおのこと身体全体を緊張させてしまいます。

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3ヶ月ほど前の月1回のレッスンの時、Eさんから「筆記試験、通りました!10月の実技試験を受けます!」と嬉しいご報告がありました。そう、保育士の資格を取るため勉強されていたのです。そして実技「伴奏を自分で弾きながら子どものうたを歌う」ことを選択されたのです。「8月からはレッスンも少し増やしていきたいので、おねがいします!」と意欲満々です。

「人前で(試験で)ピアノの伴奏をつけて歌う」これを10回足らずのレッスンでマスターしなければなりません。

うたの方は、ご本人は気づいていなかったのですが、張りのある良い声質をお持ちです。課題曲もうたの方は何も問題なく歌えるので、本人ともども一安心しました。問題は経験値が少ないピアノの方です。

Eさんの今までのレッスンでは、腕や指が力んで硬くなるという傾向があり、メカニック領域ではここを中心に勉強してきました。譜読みも、簡単な曲とはいえいくつもの曲を今まで学んできたので、お一人でもきちんとできるようになりました。地味な片手だけの練習もしてくださるので、ここも大丈夫です。

問題は両手で合わせること。

おまけに今回は歌を歌うことも同時にしなければならない試験です。

 

実際のレッスンの状況は、片手で弾くときには指使いもフレーズもきちんとできています。跳躍音程の部分も上手に腕の力は抜けているので、スムーズに移動できます。

ところが!!両手になった途端になぜかスイッチが入ったように、身体中がガチガチになってしまう症状が出てきます。

どうやら、「しっかりやろう」という気持ちが勝ちすぎて、身体の緊張感を呼んでしまうようです。

そこで講師がおすすめしたのは、「歌って弾いてみませんか?」

初めは「ただでさえ大変なのに~。無理です~ぅ」と言う表情のEさんでしたが、まずはこの不安感も取り除くために右手のメロディーを弾きながら、ドレミで歌ってもらいました。なんなくクリアです。

次は歌詞をつけて歌ってもらいました。ご本人は、楽しそうです。腕や指も自然に動いています。

「(^O^)/案外簡単でしょう?」「(*’▽’)はい、楽しくなってきました(*’▽’)」

「今、とても良い具合に脱力もできていましたよ」とお伝えすると、「すごく自然に弾けた感じがしました!」とのお返事。

どうやら脱力のコツをつかまれたようです。

その後、少し難しい ≪左手を歌いながら弾く事≫

さらに≪左手を弾きながら右手のメロディーを歌う事≫にも挑戦していただきました。

そしていよいよ、【弾き語り=伴奏をつけて歌う】に挑戦です。

ご本人はドキドキしていたそうですが、ここまでの過程で成功体験を積んでいるので、大丈夫です。

!(^^)! 難無く、間違えることもつっかえることもなく歌いきることができました。!(^^)!

「わーい、弾けてますよね!できるとは思わなかったけど、簡単でした。信じられない!(*’▽’)」

喜びながらも不思議そうなEさんにわけをお話ししました。

Eさんは、歌いながら弾いてるときに自然に力みがなくなって、とても良い身体の動きができるんです。ですから、一見難しいように思える弾き語りも、片手だけのスモールステップでの成功体験を経てきたので、脳が余計な心配をしなかったようですよ!」とお伝えしました。

 

Eさんはその後、間隔の短くなったレッスンで前回のレッスンでの(筋肉の)様子が思い出せるようになり、試験日当日までの練習方法も確認しながら、最後の追い込みに入られています。

脳が一つのことに集中しすぎると、過剰な緊張状態になり身体は自由に動かなくなるという状況がおきることがあります。

そのため今回のようにあえて、ほかの作業(行動)を同時にさせて、脳からの緊張する指令に支配されず、身体の各部分には作業を任せる状況を作り出す と無駄な緊張がほぐれることがあります。

TPSではこれらのちょっとした発見から得たアイデアを「上手な負荷のかけ方」として、状況に応じて活用しています。

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