こんにちは!TPSの講師ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
都内の小中学校では、秋は学芸会や合唱コンクールを開く時期ですね。
練習に頑張っている皆さん、風邪もそろそろはやり始めていますので、のどを大事にしてくださいね!
今日は ソルフェージュの音程を安定させる練習についてです。
ソルフェージュにも、基礎訓練や応用の初見視唱など、いろいろな勉強があります。
以前のブログにも書いたかもしれませんが、跳躍音程(特に4度以上離れた音への移行)を苦手とする人が結構います。
今までのソルフェージュの勉強方法を聞いてみると、音程練習はコーリュ―ブンゲンなどでやってきたのに、新曲視唱となるとうまくいかないという状態のようです。
どうやら発声のトレーニングやブレスの練習はあまりしてこなかったらしく、あまりきれいに歌えていません。
TPSではソルフェージュと和音聴音(和声聴音)の関連性を非常に重視しているので、ソルフェージュ教材にとどまらずあらゆる聴音の場面で、声による音程づくりをしてもらいます。
声による音程づくり
ソルフェージュの経験の浅い人は、もしかすると、楽譜上の音同士の離れ具合(=音程)を実際の音高差に置き換えることに慣れていないのではないか、と様々なタイプの受験指導を重ねていく中で感じてきました。
そこで、
- 楽譜を見て音を出す(歌う)こと(=視唱)
- 聴こえている音をまねすること(できる限り実音で)(=音感)
- 聴こえた音を楽譜上に書き出すこと(=聴音)
の3方向の作業をいつも自由に行えるようにして、実音⇔楽譜 の関係に慣れる機会を増やしています。
跳躍音程に関しては、聴音の学習歴で順次進行の多い問題をやってきた人に共通する苦手意識であることも、次第に分かってきました。
このことから、音の認知には なにかしらの手がかりがあることが有利になるのではないか という仮説を立ててみました。
TPSでは、いわゆる音程の練習には教材は使わず、その場で即興的に声による音程づくりをしてもらいます。
なおこの場合「音程」はあまり複雑なものとせず、3度(長、短、)、完全4度、完全5度位に留めています。
半音階の練習
それから 跳躍音程と同時に半音階のソルフェージュも並行して行います。
コーリュ―ブンゲンやコールシューレ等の教材の中にある、「半音階」のトレーニングの項目などを使います。
意外なのですが、跳躍音程に苦手意識を持つ人は同時に半音に対する感覚にもあまり慣れていないことがわかりました。
半音階の練習の方が、まだ狭い音域内でしか声が出ない人にも使えるので、これはかなり早めの練習開始も可能です。
当然のことですが、半音階ではドレミではなくドイツ音名で歌います。ドレミ唱法では半音の違いを意識できませんからね。
上行ではシャープ系、下行ではフラット系のドイツ音名で半音階を歌います。(これも楽典のお約束ですね)
オクターブに慣れる
歌える音域が広がってきたら、オクターブ音程も先に体験します。これが音の広がりを計る「手がかり」となるわけです。
慣れるまではゆっくり音の幅(離れ具合)を創造しながら、オクターブ音程を作る練習をします。
この時難しいようならば準備段階として完全5度の音を中間に歌い、その後さらにオクターブ音程(つまり中間音からさらに完全4度ですね!)へ広げていくことも可能です。これも慣れてきたら中間の音は声に出さず、出したつもりでじかにオクターブへ広げていけるようになります。
このように文章にして書くと簡単なのですが、ソルフェージュは実践の場ではどうしても音がぶる下がったり、広げすぎたり、生徒さんだけではなかなか安定しません。やはり音程を正しく歌えるためには、早めに耳の良い指導者に習うことが大事です。音域によってもずれやすい音域が個人個人にあるので、毎回のレッスンで先生に確認してもらえれば、自分のトレーニングが正しいかどうかがわかり、正しい音程で歌える時期がずいぶんと早くなります。
レッスンの場だけで直そうとしても、日ごろから気をつけていないと音程のずれは簡単には直らないので、我慢強く取り組んでくださいね!
お問い合わせはこちら