こんばんは!3月なのに急に冬に戻ったかのような気温の低さの東京です。体調管理に十分にはお気を付けくださいね!
さて、TPSのピアノ専科では、主に専門コースを選んだ方に効果的な練習方法のための実践レッスンの機会を設けています。
学習が進むとともに、エチュードも一曲の長さが長くなり、練習方法にもかなりの時間がかかります。ところが生徒さんによっては、長い曲を練習するための準備が不十分なため、どれも消化不良で終えてしまうという人が案外いるようです。
また、ピアノの先生がたのお悩みとして、次のような話をよくお聞きします。
≪実は趣味のピアノだと思っていた生徒さんが、急に音大を受けたいと言い出しました。全く趣味だと思っていたため、のんびりやってきたので私の方が大慌てです!練習時間も練習方法も全然足りないのに、本人はいたってのんきなんです!(ノ∀`)≫
こういう生徒さんの場合、軌道修正というか意識改革がまず初めに必要ではないかと考えています。
たぶん、1週間分の宿題(課題)を、ひととおり弾くことだけで、一日の練習を終えてしまうことが習慣になっているのではないかと思います。器用な人ならば、趣味のピアノはそれでもなんとかくりあできますが、専門コースとなるとさすがにムリでしょう。
指導する先生の方は「受験対応モード」に変わるのですから、当然要求するレッスンの内容や質が格段と難しくなってきているはずです。
そもそも、上級の曲や長めの曲においては、大ざっぱな勉強方法のままではテクニックが上達しないことは目に見えています。しかし、一度身についたゆるーい練習のくせは簡単に直せないものです。地道な練習に耐えられるかどうかも、専門コースの選択が適切であるかどうかの判断基準になるとお考えください。
そこでTPSでは、以前から【練習方法の実践レッスン】を専門コースを希望している生徒さんには、定期的に取り入れています。
やり方はいたってシンプル
⦁ 短いツェルニーの練習曲(125のパッセージ練習や8小節のエチュード等)の中から、
⦁ 見開きの(左右)2ページを選び、
⦁ 初見で10分から20分の間に仕上げてもらう
というものです。
いずれも8~12小節程度なのであまり負担を感じない分量です。
ただし、普段の練習に比べて様々なことを考えて弾かなければならない仕組みになっているのです。
そしてこれが【練習方法の実践レッスン】を通して感じてほしい、身につけてほしいことでもあります。
生徒さんのレベルや経験値、集中力などで具体的な内容は少しずつ変わりますが、多くの場合次のようなことを初めに考えてもらうことからスタートします。
1)まずは音を出す前に、口頭で答えてもらいます
⦁ 練習の意図を見つける(パッセージ、音型の読み取り)
⦁ 複数の曲のうち、苦手なものはどれかを探す。(自分の弱点を知ること)
⦁ 時間内での練習のバランス、順番を考える(=苦手なものに取り組む時間を多くする)
2)第二段階では、このようなことを先に考えてもらいます。
⦁ 分類した練習の意図別に練習方法を挙げてみる。
例えば、練習課題の意図には 和音の連打、スケール、アルペジオ等いくつかのパターンがありますね。それぞれに練習方法は違うのですが、すぐに思い浮かぶかどうかも大事なチェックポイントです。普段から様々な工夫をする習慣のついている生徒さんは、小学生でも練習方法をスラスラと答えてくれます。
⦁ だいたいの練習メニューが決まったら、片手、両手いずれの練習にするかの確認
片手⇒両手に移るときに、何か工夫できることがあるかどうか も考えてもらいます。
片手練習のテンポ、両手練習のテンポの設定も大事なことです。
何故ピアノを練習するのに音を出す前にこのような手順をあえて入れるのでしょうか。
それは「限られた時間をできるだけ有効に使いたい」ためです。
物理的にも精神的にも集中して練習できる時間は、もともと限られていますよね。(^O^)/つまり、量(練習時間)が変えられないのならば、質(練習方法の工夫)を変えていこう!と言うことです。(^O^)/
とは言え、ゆる~い練習で何年かやってきた生徒さんが一人で練習方法を変えていくのは、決してたやすいことではありません。そのため、レッスンの場を利用してできるだけはやくコツをつかんでもらおうと、このような機会を設けているのです。
まずは いつもとは違う丁寧な練習のやり方を体験してもらう ことが初めの一歩だと考えているからです。
大変なことも多いけど、昨日までできなかったことができるようになれば、モチベーションも変わってきますよね!
本日はここまで。次回は、音を出してからの「自分の演奏を検証する」お話です。