こんにちは!TPS/Tokyo Piano Solution です。
いつもブログをご覧いただき、ありがとうございますm(__)m
今日は、ピアノ学習者にとって大事な調性感に関してTPSの考え方をちょっとお伝えします。
短調に関しては2通りの導入法があります。
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平行調の関係から教える
平行調から教える場合には、同じ調号を持つ長調と短調の関係という調号の理解が前提となります。
古くからのピアノ学習ではこのアプローチがほとんどだったように思われます。
覚え方としては音階とカデンツの鍵盤上での練習(暗譜)をとおして、早くから実際の音の響きを体得します。
当然のことですが、3種類の短音階の区別も同時に教えられた記憶があります。
また、学校教育における音楽教科でもこの関係性は、比較的早い段階で教えているようです。
学習の機会は多いので、だいたいの人がこちらの方法で覚えていくことが多いのではないでしょうか。
楽典の演習問題には必須の知識ですね。
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同主調の関係から教える
平行調の関係で教える場合には、同じ主音を持つ長調と短調の響きの違いを中心に教えていきます。
この30年ほどアメリカ式の教材の中では、この方法が多く取り入れられているようです。
子どものメカニックトレーニングの利便性の高い教材である「バーナム・テクニック」シリーズの中では特に早い段階から同主調による長調と短調の関係性を取り入れています。この教材の中は子供たちにも分かりやすく「晴れの日」「雨の日」という区別で伝えています。
この方法ですと、「長調」と「短調」という名前の意味も理解しやすいように思います。
つまり音階における第3音、第6音が主音とどのような関係にあるのかが分かりやすく、
- 主音と第3音の音程が「長3度」ならば「長調」
- 主音と第3音の音程が「短3度」ならば「短調」
という仕組みが同時に理解できます。
ただし、音程の種類、すなわち長、短、完、増、減 の音程も知識として学んでおく必要があります。
生徒さんの経験年数や年齢によってどちらの方法がり知識として入りやすいかは、それぞれの生徒さん毎に異なるかもしれません。
ただ、理論の理解が必要なのは平行調の関係から教える方法の方が強く、感覚的にとらえやすいのは同主調の関係から教える方ではないかと、長年の指導の中では感じています。
いずれにしろ、中級レベルになるとどちらの考え方も理解し操作できるようにしておきたいものです。
この時期には、調号と調の関係や音程の種類、和音の種類なども知っておく必要があり、長調と短調の関係性を理解するは譜読みの力を支えて大いに役立つと思います。
中級になっても調号や変化記号の読み飛ばしが多い生徒さんは、このような基礎知識の理解がないままで進んできてしまったケースが多いのです。このような曖昧な調性関係の理解度では、ソナチネなど転調の多い曲で行き詰ってしまうのは仕方ありませんね。
ピアノの先生の中には、楽典はドリルのみで教える方も多いようですが、やはり活かせるツールとしての知識は「ピアノの教材の中で折に触れ、確認していく」ことが大事です。
TPSでは、楽典のドリルやワークの活用は初期の一定期間を除き、あくまで達成度確認のためと位置付けています。