こんにちは!
いつもTPSの講師ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
少し前に、ソルフェージュは腹筋が大事という記事を書きましたが、今回も同じくソルフェージュのおはなし。
TPSではソルフェージュの中級以上の生徒さんには、ダンノーゼルをよく使います。
☝は日本版ですが、元々はフランスの教材で輸入版がメインです。
↓が輸入版 これは「1B」なのでかなり易しい方です。
ちなみにヘ音記号(低音部譜表)が中心の本もあります(「1D」)
かなり丁寧な初級~上級への指導カリキュラムがあるので大変勉強になります。
初めに載せた日本版では、いくつかのレベルのものから一部を抜粋し編集してあります。
受験生(専門コース志望)でなければ、この日本版でも十分だと思います。
ダンノーゼルの特徴はいくつかあります。
- 1曲が長い!
- 表情をつけて歌う(強弱、テンポも変化。当然転調も多用)
- ブレス(息継ぎ)の指定がはっきりとしている
- 様々な作曲家の作品が載っている
つまり、単なる発声練習や音程練習の教材ではないということです。
むしろ、解釈(アナリーゼ)や表現のための勉強に適しています。
フランス版では、それぞれのレベルの本に伴奏用の楽譜もあります。
(TPSでは伴奏楽譜は使用していませんが、集団授業の場面では使うことが多いようです。)
使い方
TPSでは基本的には、あらかじめ家で歌ってくることを課題に出してしていますが、分析や表現はレッスン内で行ないます。
しかし、専門コースの生徒さんには初見視唱曲として難易度の低いもの選んで使います。
よく音大や音高の受験項目には「コールユーブンゲン」と言うドイツの教材からの課題が使われますが、「ダンノーゼル」とは内容がかなり違います。
ほとんどソルフェージュをやって来なかった人には、「コールユ―ブンゲン」の方が歌いやすいと思います。
音程問題がかなり初めの方にしっかり組み込まれている事や、あまり曲想などの指定がないので音程中心に慣れていく段階には、コールユ―ブンゲンの方が良いと思います。
けれども、ピアノや専攻楽器ではなかなか表現や解釈(アナリーゼ)の勉強ができない時は、ソルフェージュの教材としてはダンノーゼルの方が勉強になるでしょう。ダンノーゼルでは調性や曲の構成も考えなくてはなりませんし、楽語の勉強も同時におさらいすることになります。いわば、総合力をつけるために適している教材と言えます。
やはりソルフェージュは、楽譜からの情報収集と言う点でも決して見逃せないジャンルだということを、このフランスの教材は伝えていますね。
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