おはようございます!

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今年もこの「TPSの講師ブログ」を、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

年末年始と少しこのブログもお休みしておりましたが、また少しずつ更新します。

さて今回は 和音聴音の初期段階における聞き取りミスについてです。

TPSではすべての領域について、生徒さんのミスの仕方(間違え方)に大変関心を持って各々の問題を検討しています。

最近ある先生からの生徒さんの和音聴音に関してご相談がありました。

「和音の音の上下を間違う傾向があるのですが、なぜでしょうか?直す方法はありますか。」

このような内容でした。実は初期段階でこういうミスをする生徒さんを時折見かけます。

TPSが和音聴音の準備として2音の聴音を取り入れている事と深い関係があります。

上下の聞き取りミスは 和音の認識の段階でいつの間にか大雑把に聴く癖がついている生徒さんが陥るミスです。

 

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初期段階での不注意な聴き取り方としては次のような例があります。

  • Cの音とGの音が聞こえるとすぐに、「ドミソ!」と答えてしまう。
  • ECの2音を「CE」と答えてしまう。
  • 属七の和音と属和音を間違えやすい
  • 音域を間違えて書き易い

上記のようなミスがある場合には、先に進まず (・・?何故このようなミスをするのか、注意深く調べていきます。

その結果、原因にもいくつかのパターンが見つかりました。(^O^)/

  1. そもそも、和音の形に注意深くない。⇒つまり基本形や転回形についての知識(楽典の勉強)が少ない
  2. 「和音」を初めて覚えた時、単純な数個のパターンのみで学んだたため、その範囲内で答える癖がついている⇒指導メニューの偏りによる弊害
  3. 音域についての関心が薄い⇒ソルフェージュ、聴音の経験値不足
  4. 性格的に早とちりの傾向がある⇒早く回答することを優先するケース
  5. 聴き取りやすい音から答える癖がついている⇒音の響きをたどるスキルが身についていない

実はうっかりこのような傾向を見逃して受験期に入り、受験の年に苦労された生徒さんのケースがかなりありました。

密集の3和音だけの時はまだ良いのですが、こういう傾向のミスを重ねていること自体にも気づかずに4声体の和声聴音に入ると、ミスを多発するようになります。聴き取り方がわからずあてずっぽうで書くことが増えているからです。このようになってからだと倍の時間をかけて聴き取り癖を修正していかなければならないため、TPSでは独自のプログラムを作って初めから慎重に進める方針を取ってきました。

このブログ内ではあまり詳しいことは書けませんので、修正のポイントのみをお伝えします。

  • まず、聞き取りは当分2音の響きに限定し、①2音の広がり具合、②音域、③上下の音の確認 を丁寧に聞く習慣づけをします。
  • 答えるときも音の響きを正確に模倣することから始めます。ハミング⇒ドレミ音名⇒ドイツ音名で答えていきます。
  • 5線紙ノートに書くのはドイツ音名で答えてから。譜表はト音記号、ヘ音記号、大譜表をわけて指導します。
  • ほとんどの人は高音部の方が聴き取りやすいので、下の音から聴く習慣をつけます。イメージとしては、2本のアンテナを立てて初めから2つの音を意識して受け取る つもりで。
  • 2音が難しい場合は単音を当てる練習から始め、上か下に1音増やして上下のどちらに音が増えたかを感じてもらいます。

このように文章化すると一見めんどくさいように思いますが、生徒さんのレッスン時に耳の状態に合わせ、柔軟に内容を変えていってください。回り道しているように初期段階では時間をかけますが、結果的にはこれが一番合理的で苦手意識を持たずに和音聴音を学ぶ方法だという結論に達しました。

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聴音、特に縦の響きを瞬時に聴き取る和音聴音には、生徒さんの集中力とスキルが必要です。時間の余裕があるとき、疲労がたまっていない時に取り入れてください。調子の悪い時には深追いせず、ソルフェージュ(歌うこと)に切り替えることも大事です。聴音には心理状態も非常に影響することもつけ加えておきます。

楽器の演奏時により良い音を奏でるために、良い耳を作ることが本来の聴音の目的です。

耳だけに頼らず、楽典的な仕組みを教えたり、演奏時にメロディラインだけを追わず、音域や響きにも注意を向けるアドバイスをして常日頃から関心を持たせる工夫も大事ですね。(^_-)-☆

 

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和音聴音に関する記事はここにもあります。